さくらんぼ栽培・こだわりの土づくり

大沢農園の土づくり方針

大沢農園は山地(ヤマヂ)に位置しており、畑の土は粘土質土壌です。

粘土質土壌の特徴は・・・

①粘着性、可塑性が強い

雨が降った後に畑に行くと長靴の裏に粘土の土がべったりと張り付き、足が重くなります。水分が多くなると粘りますが、反対に乾燥した時はガチガチに固くなります。

②自然肥沃度が高い

自然肥沃度とは、土壌本来の化学的性質による肥沃度を指します。粘土質土壌は保肥力が大きく、リン酸吸収係数が小さく(植物がリン酸を吸収するのを阻害しない)、塩基含量が多いとされています。

③土壌養分含量が多い

土壌養分とは、土壌中に存在する作物の生育に必要な成分のうち、作物が吸収できるかたいの成分を指しています。置換性の石灰、苦土、カリの含量、有効態リン酸含量、微量要素、土壌酸度から判定されますが、粘土質土壌はこれらが多く含まれ、肥沃なものが多いとされています。

④透水性、保水性が小さい

粘土質土壌は土壌中の隙間の量が少なく、固相率が高いため、透水性、保水性ともに小さいものが多く、大雨があった場合には排水不良、雨が降らずに乾いた場合には干ばつを受けやすくなります。ただ、大沢農園の場合は傾斜地なので、排水不良にはなりません。

②と③の特徴から、ヤマヂの土は非常に肥沃で可能性を秘めている一方、①と④の性質から、根が土の中へと張ってゆく為には粘土質土壌は固すぎることと、空気の層が少ないという欠点があるということです。特に、さくらんぼは根が空気を非常に必要とする作物なのです。

そこで、大沢農園の土づくりは・・・

ということに重点を置いて以下のような土づくりを行っています。

 

モグラ堆肥

大沢農園ではモグラ堆肥を使用しております。完全有機発酵肥料です。畑に良質の「堆肥」を投入し、土壌微生物の力を最大限に活かすことを目指します。土壌微生物は土壌の団粒構造の増加を促進します。土壌の団粒構造により、さくらんぼの根が呼吸をし、健全に成長し、養水分を吸収することで、さくらんぼの栄養分を豊富にしてくれます。

 

ワラ・モミガラ・牛フン堆肥

有機物を畑に入れることによって、土壌の団粒構造をつくってくれる、微生物や菌類やミミズなどの小動物が生きてゆく環境をつくります。

田んぼからワラを持ってきて畑に敷いたり、モミガラを炭にして畑に撒いたり、牛フン堆肥を投入したりしております。いずれも、過剰投入にならないように、土壌検査を行ってバランスを考えて施肥しております。

 

バンダー・グロースガン

いずれも土の中に空気を打ち込む機械です。土の中の通気性を高め、根の呼吸を促進します。また、肥料を深い層へ直接施すことができます。

 

 

タコツボ施肥

タコツボ状の穴を掘って堆肥、肥料を施します。堆肥、肥料は完熟したものを施肥しております。表面に施肥した場合よりも、土壌の物理性改善に効果があります。