ヤマヂのさくらんぼ
「ヤマヂのものはウマイ!」
農家のおやじさん達はよくそう言います。
農家になったばかりの頃、私は、そんなもんかな?、と半信半疑でした。
傾斜地の山地(ヤマヂ)での農作業は平地に比べて非常に苛酷です。
トラクターやリフトなどの大型機械が畑に入らないので機械に頼ることができません。また、畑の形も不定形な土地が多く、効率的ではありません。
そして、何をするにも重力との戦い!物を持って行くのも、持って帰ってくるのも人の力で運びます。移動するだけでも一苦労です。昔、私の祖父が、手ぶらで上がったらダメだ、上がる時は何か一つでも持って行け、と言っていました。
そんな、効率からは縁遠い傾斜地での農業ですが、傾斜地ならではの良さがあります。
日当たりが良い
太陽へ向いて傾いているこのヤマヂはさながらソーラーパネルの傾斜のようなもので、日光を効率よく作物の葉に、畑の土に吸収できます。
水はけが良い
傾斜がついているので、雨水は滞水することなく流れ落ちてゆきます。果物の根は呼吸をしているので過度な滞水に弱いのです。しかし、ヤマヂはその心配がありません。
土が良い
ヤマヂの土は肥沃な粘土質土壌です。肥沃な土地が美味しい果物をつくります。詳しくは土づくりを読んでください。
作業はキツイけれど、根性がつき、美味しい果物がとれるこのヤマヂに誇りを持って今なら私も言えます。
「ヤマヂのさくらんぼはウマイ!」